Q. 自己紹介をお願いします。
SYRINX、代表
佐藤宏尚建築デザイン事務所、代表取締役
1972 兵庫県加古川市生まれ
1996 東京大学工学部建築学科卒業
1998 東京大学大学院修士課程修了 プランテック総合計画事務所入社
2001 佐藤宏尚建築デザイン事務所設立
2014 慶應義塾大学大学院 非常勤講師
2016 東京大学・東京大学大学院 特別講師
グッドデザイン賞、 D&AD賞など国内外で受賞歴多数
Q. 受賞おめでとうございます。受賞作の解説をお願いします。
贈答品に使われる風呂敷、袱紗、熨斗袋など、日本では、大切なものを丁寧に包む文化があります。衣服においても袋に穴をあけた洋服と異なり、布を巻いて身に纏う和服は身体を包んでいるといえます。この「包む」という日本の伝統的な美意識から名刺入れをデザインしました。糸や金具、ベルトなど、留め具は一切使用しません。上質な1枚の革をただ折り紙のように美しく折り重ね、大切な名刺を包みます。丁寧に包まれたものは、解く所作にも相手への気遣いや思いやりが込められます。ビジネスシーンにおいては、相手に合わせ待たせないこと、最小限の動作でスムーズに名刺を取り出せることをまず優先すべきです。
「TSUTSUMU」は留め具がない特徴を活かし、素早く開けて、スムーズに名刺を取り出すことが可能です。また名刺入でブランド名が目立つのは無粋です。見た目の上下が分かりにくくなりますが、エンブレムはフタの隠れる部分にそっと刻印してあります。革が馴染めば、名刺取り出し用の半円型の切り欠きがフタの上から手触りでわかるので、下を向かずに相手の方を見たまま、スマートに名刺を取り出せます。
Q. 受賞作のインスピレーションはどこから得られましたか。
贈答品に使われる風呂敷、袱紗、熨斗袋など、日本に伝わる大切なものを丁寧に包む文化。
Q. デザインにおいて最も重要だと思われることやスキルは何ですか。
固定概念や常識と思われていることまで踏み込むことで、ユニークでありながら、合理的なデザインに到達すること。
Q. あなたのデザインを進めるプロセスを教えてください。
最初に手でスケッチする、それが最も重要です。
Q. あなたにとってデザインの参考として最も有益な本やデザイナーを教えてください。
デザインのヒントはどこにでもあります。
Q. あなたにとってデザイナーとしてのゴールは何ですか。
ゴールはありません。つくり続けます。
ASIA DESIGN PRIZE
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